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ミャンマーから学ぶ持続可能な生活のヒント「足るを知る心」

みなさんこんにちは。インターン生の杉山です。

 

本日から複数回にわたって、私がミャンマーに訪れた時に得た学びや気づきを発信していきたいと思います。テーマは「ミャンマーから学ぶ持続可能な生活のヒント」です。SDGs(持続可能な発展)は世界共通の課題ですが、途上国の人々の暮らしから学ぶことも多いと感じ、日本とミャンマーの人々が互いに学び合う姿勢が異文化理解の一つでもあると考え、このテーマにしました。

 

私が訪れた村について

は2020年3月にミャンマーのシャン州ニャウンシュエの「パヤタン」という農村に2週間滞在しました。観光地として有名なインレー湖の畔にあり、現地で暮らす方々は湖での漁と農業で生計を立てています。少数民族のパオ族が多く住んでいるこの地域はパオ族と旧政府との間で内戦が行われていました。1990年代の停戦後、「ポンポンジー」と敬称で呼ばれる一人の僧が荒廃した村に寺院を建て、学校を建て、人々が集まり栄えました。

 

現在は諸外国のNGOや財団の協力を得てインフラ整備、幼稚園や小中学校、高校、ミシンの職業訓練施設、診療所などが建てられました。現在は村で生活を営む方々とは別に、学生の生活圏があり、様々な地域から5~20歳の約1000人の子供が集まり、村で共同生活を送っています。近年は、「村の学生を刺激し勉強意欲を高め、新たな情報や知識経験を得る」ということを目的に、私のような外国人の学生を受け入れています。

英語・日本語習得の授業もあり、卒業生の中には日本で働いている者もいます。

パヤタン村の中心にある寺院(パゴダ)です。パゴダ内では毎朝5時から子供たちが仏教の教えを復唱しながらお祈りをすることや、夜遅くまで勉強で使用しています。

顔に塗っているのは「タナカ」という木の粉をクリーム状にしたものです。日焼けと乾燥を防いで美肌効果があります!

村の子供たちが私に塗ってくれました。

ミャンマーでの気づき

ミャンマーの農村で生活して、お風呂やシャワーは無く、限られた水で水浴びをしたことや、頻繁に停電するなど、日本より物質的に豊かでなく”不便”な経験はたくさんしましたが、不思議と”不満”は感じませんでした。パヤタン村に行って「価値観や幸福感が変わった」という日本人学生が私の他にも多くいました。

一人当たりのGNI(国民総所得)を見ると、日本は約400万円、ミャンマーは約50万円です。ミャンマーの農村部ではさらに低くなっています。実際に訪れるまで「人々は毎日暗い顔をして、憂鬱としているにちがいない」と勝手に想像してしまっていました。しかし、実際村の子供達は想像以上に明るく、毎日を楽しんでいるように見えました。

その理由は村の子供達が教えてくれた言葉にあります。「足るを知る」という仏教の言葉です。これは際限なく「あれもない」「これもない」と足りないものやことを探すのではなく、自分たちに与えられているものに目を向け、身の周りにあるもの、いまそこにあるものに価値を見出し、感謝する心のことです。

 

資源と環境の制約から、現在のライフスタイルの維持は困難であると言われています。SDGs第12目標は「責任ある生産と消費」を目指し、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会からの脱却を訴えています。しかし、危機感はあってもあまりにも大きな問題のため、私はそれをなかなか日常生活の中で実践していくことができません。例えば、私は服を買う時「安くて流行りの服」を買いますが、服の形や色は毎年変わるため周りの目を気にして1年前の服を着るのが恥ずかしいと思ってしまい、また新たに「安くて流行りの服」を買います。服の他にも、新しいiPhoneの型が出たら欲しくなってしまうし、私の父が新しいもの好きで使わない家電をよく買います。こうした身の回りの生活に私は疑問を抱いていました。私のミャンマーに行くまでの普段の生活は、自己の都合や利益を優先してしまい、ついあれもこれもと際限のない欲望に駆られて「満たされている」と感じることは少なかったです。

 私は彼らから「足るを知る」心を学んで、心の豊かさが欠けていたことに気づかされました