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リンクトゥミャンマーを卒業します!

こんにちは。

リンクトゥミャンマー事務局の押田です。

今月3月をもって、リンクトゥミャンマー事務局を卒業することになりました。

 

本ブログでは1年間リンクトゥミャンマーで過ごした感想を書かせていただこうかなと考えております。どうか、お時間あるときにゆっくり読んでいただければ幸いです。

なぜリンクトゥミャンマーに入ったのか。

 私がリンクトゥミャンマーに入った主な理由は3つほどあります。

 1つ目には、国際協力やNPO・NGOの活動に興味があったからです。大学に入ってから、NGO業界で働く方々にお会いする機会が何回かあり、お話を聞いていくうちに、「私もこの業界で働きたい」と思うようになりました。海外で働いて楽しそうという理由からではなく、生き方や価値観に大きく魅力を感じたからです。(詳しく説明すると長くなってしまうので、これ以上は割愛します。)加えて、いずれNPO業界で働きたいと思っていたので、NPOで働くとはどんなものかを学生のうちに感じてみたかったというのもあります。

 2つ目に、ミャンマーが好きだからです。2020年4月リンクトゥミャンマーに入る前、あるNGOの海外研修でミャンマーに1か月滞在し、すっかりミャンマーの虜になってしまいました。ミャンマー人のたぐいまれなやさしさ、おいしい料理、日本とは違う町の雰囲気が大好きになり、今後もミャンマーのために何かしたいと思っていたところ、リンクトゥミャンマーを見つけました。

 3つ目に、在日ミャンマー人と接点を持ちたかったからです。ミャンマーをもっと知りたいと思って、本などを見ても、いまいち近くに感じられませんでした。「そうだ!日本に住んでいるミャンマー人知り合いになればいいんだ!」と思いました。

そして、直接交流して、ミャンマーのことが少しでも詳しく知れればいいなと思っていました。

働いてみて感じたこと

①社会人経験の有無の重要性

NPOは基本、新卒採用をしていません。大体のNPOの求人条件には、「社会人3年以上の経験がある方」と記載してあります。

 

最初は「社会人じゃなくてもやる気があれば大丈夫でしょ!」と高を括っていたのですが、それは大きな間違いでした。日々のメール対応や書類作成でも一苦労ですし、

会計などについてもなんの知識もなかったので、だいぶ苦労しました。やる気で乗り越えられる部分ももちろんありますが、NPOでは資源も時間も限られており、企業よりも効率的な働き方が求められます。なので、NPOで入る前に企業や別の組織で3年間以上の経験・スキルを積んだほうが、自分にとっても団体にとってもプラスかなと率直に思いました。

 

②定住支援の重要性

リンクトゥミャンマーで様々な定住支援の現場を見たり、経験したりするとともに、定住支援の重要性をますます認識していました。

 

日本に暮らすミャンマー人の中には会話を問題なくこなせる方もいれば、そんなにしゃべれない方もいます。そんな中で個人的に彼らに共通していると思ったのは、「文字の読み書きに苦戦している」ということです。皆さん漢字の読み書きには大変苦労している様子で、例えば行政手続きなど難しい作業が必要なものは一人ではできません。日本人でも読むのが面倒くさい、手続きが面倒くさいものは、外国人にとってはお経のようにしか見えないと思いますし、それを一人で理解してすべてをこなすのは無理があると感じていました。

 

企業や行政機関が多言語への対応を進めてきているのは事実です。年金機構やその他行政機関でミャンマー語の案内があることもありますし、私も感銘を受けました。しかし、現時点ではまだ不十分です。今後も日本に来る外国人が増えていくことが推測されますので、言語面のインフラ整備の必要性は今後もさらに高まっていくのではないかと思います。言語インフラ整備が十分なレベルに達するまでは、私たちが行っている定住支援が多くのミャンマー人から必要とされますし、彼らの生活を地道に支えていく必要があるのかなと感じています。

③在日外国人の捉え方の変化

これは以前の在日ミャンマー人に自宅訪問をした際にも書いた内容です。以前、スタディーキャンプという名目で、在日ミャンマー人へのお宅にお邪魔する機会を頂きました。大変失礼なことと承知していますが、正直ほとんどの外国人は家を買うほどの十分な収入はなく、築年数の長いアパートに住んでいるという勝手な偏見を持っていました。しかし、訪問した在日ミャンマー人の家の前についたとき、「あ…立派な一軒家だ…」と思いました。

 

実際彼らの暮らしぶりを見たり聞いたりしていると、彼らは日本という異国の地で、文化の違いなどの困難を抱えながらも一生懸命に働き、日本人と何ら変わらない生活を送っていたのです。彼らの様に日本で働いて、日本の戸建てを買うほどの十分な収入を得ていない外国人、コロナの影響で職を失い生活が立ち行かなくなる外国人の方が多くいることも事実です。しかし、「外国人」というフレームで彼らを同一化して、「外国人はかわいそうな人」という誠に勝手な偏見を持つのは、彼らに対して失礼ですし、見直すべきだなと感じました。

 

このように定住支援の現場や成果を見ていく中で、外国人、在日ミャンマー人の暮らしぶりも千差万別あることに気づきますし、ミャンマー人といっても宗教や民族が異なり、考え方が違います。ミャンマー人だからこうだとか、○○族だからこうだとか一定の傾向はあるにしろ、皆さん一人の個人であり、違う考え方・価値観を持っています。私も無意識的に人をカテゴライズしてしまうことがあるので、自戒するよう努力はしていますが、外国人と接する機会がない人は、こうしたことにもっと気づきにくいのかなと感じています。なので、日本人と外国人の接点をもっと広げ、お互いが個人として向き合えるような社会ができれいいなとおぼろげながら思っています。

 

 

最後に

NPOの現場でこうした一面を体感できたことによって、間違いなく自分の価値観が変わったと感じています。学生のうちにこのような経験ができて、本当によかったなと思っていますし、周りのスタッフ、そして、温かく当会の活動を応援して下さる支援者の様には頭が上がりません。今まで本当にありがとうございました。

 

私は今年の9月に卒業予定で、10月からは社会人として働き始めます。社会人にという立場になっても、地道に継続してきたミャンマー語の勉強を続けますし、リンクトゥミャンマーにも何かしらの形で支援できればな考えていますし、ミャンマーのことを大好きであり続けると思います。そして、日本人にミャンマーの魅力を伝えるべく、友達をしつこくミャンマーレストランに誘ったり、周囲の人に「いつか旅行で行ってみてください!」伝えていくと思います。それが現在混乱に見舞われているミャンマーの為、ミャンマー人の為になることを信じて。

 

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

またどこかで復活するかもしれないので、どうかお楽しみに!

では、皆様どうかお体にご自愛下さい。

 

リンクトゥミャンマー事務局 押田